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岩魚を食す時は必ず現地、その場だけに限る。持ち出しは厳禁。経済する節約すると言う概念は谷にも共通することで、そこに生きる恵みの絶対量を把握し、貯えが乏しいようであれば諦め、十分であれば小まめに頂く。これぞ生きる原点なり、やらなければならない仕事をそれぞれこなし、２匹の岩魚を美味しく食べる。
今回の山行では何を食べましょうか、勿論、岩魚資源が豊かであれば頂くとするが、出来れば寿司が食べたいですね。釣りを楽しんだ後、自分達が食べる岩魚を獲ろうと夕暮れ時に狩りに転ずる。獲ろうと思うとなかなか思い通りにはいかないものだ。大きさにして尺前後が理想なのだが、遡上ものが竿を絞り込む。そう、海から上ったばかりの脂がのった岩鱒。注文通りに造って頂いたそれは、顔を歪めるほど、それが大袈裟な表現になろうとも、お互いが口にする度、大声で絶賛する。一瞬にして甘みが口の中に広がり舌の上で溶けていく様は正しくトロだった。
見つけた！ミヤマクワガタの雄。巨大岩魚を釣る時と食うため以外は極力、無駄に針を投ずることをしなくなっている私は、何か不思議はないものかと視線を３６０度、忙しなく見渡している。
| イトウと岩魚２足のわらじ 更新履歴 北海道のイトウと岩魚 北海道の岩魚 プロフィール 書籍文献紹介 人物紹介 意見感想 |