初日の晩はゴルジュで

ゴルジュ手前で岩魚を食す

感激の大岩魚と対面した初日、この日の晩はゴルジュ手前でテントを張る。５０ｍザイルを使って岩から岩へと繋ぎツエルトを張る。今日までの天気予報では旅を終える期間まで雨は降らないことになっているが、次第に辺りが濃霧に包まれ雨が降り出す。

これまで何度も述べているが、基本的に私は岩魚を食べるのは好きではない。しかし、深い谷間で過ごす晩餐には岩魚は欠かせない。恵みが豊ならば僅かな数だけ与る。この隠源での３日間で2人で2匹を刺身にして頂くだけ・・・美味しいものはちょっとでいいんですよね！それとビールと酒もです・・・

谷の中でテントを張る

翌日を迎えたテント場。前日の感激も冷め遣らない中、この先どんな危険が迫っていることやら、不安が脳裏を横切る・・・

雨が振る

雨？予報では降らないはずだ。まあ、谷ではよくあることだと私が呟き、雨具に着替える。寝具と酒をテントの中へと運び、朝まで語らう夜は短く過ぎ去る。

狭いテントの中

雨を凌ぐ程度の空間しか確保できなかった。体が埋まるほどの大きさの石にはまって横たわる私に中橋さんが一言溢す。生きて帰れたら最高の想い出になりますね・・・普段の生活にも危険はいくらでも存在しますが・・・それほど大袈裟に考えることもないと思いながら、我ながらその言葉を深刻に受け止める。

さすがに、いつも大口を開けて眠る中橋さんも、今回は熟睡できないようだ。何せ、寝ている場所が川の真っ只中なゆえ、実際、霧雨程度であっても、もしかして？と言う不安は終始付きまとう。一応、鉄砲水がきた場合の逃げ道を確保した上、テントをその側に設置している。早朝まで不安は治まらない・・・