世界自然遺産　北海道

２００５年・東の果ての秘境No.4

イトウと岩魚２足のわらじ

秘境の水界　　　羆との恐怖　　　純血

世界自然遺産、北海道では初の国民共有の財産となる東の果ての秘境。真夏、恒例となった行事の一つとして片道約３０�`の行程を２人で漕ぐ。

半島の東側、２００１年は片道を往復する滞在型の旅から始まり、０２年で半島一周を試み０３年で実現させ、昨年は西側で滞在型の原生の陸と水界に浸る。今年２００５年はどうなるだろうか・・・。

原始の渓、河口から水源を囲む周囲一帯は全く人の手が加えられていない。河口にはカラフトマスが背鰭を出しひしめき、数十メートル遡った淵には降海型のオショロコマと産卵に控えるカラフトが群れている。そして、上流へ遡るにつれ落差３メートルほどの滝が連続し、それぞれの釜にオショロコマは居るものの数はまばらになる。

オショロコマとカラフトマスが泳ぐ原始境へ

ここへ来る度、想い出すのは何とも表現しがたい懐かしさです。最近、私の周りで、それも自然には全く関心の無い人達の口から「懐かしい」という故郷の思い出話をよく耳にする。年代は団塊の世代、幼少の時代に経験した豊であった故郷での出来事。今はもう跡形も無い。

滞在型。目的が多いと滞在日数を多くとらなければ全てを辿ることが難しい。カヤックで巡る海岸からの経路で的を絞るとなれば水中のオショロコマ、海はカラフトマスで釣りを楽しむしかない。

今回も友人Ａ氏と現地で合流し翌朝は太陽に照らされる前に船を出す予定。ビールを除く荷物の多くをＡ氏に頼み、札幌を出たのが仕事の終わる午後６時過ぎ、道中は気が高ぶっていたのか眠気も無く順調に車を走らせ、待ち合わせ場所に到着したのが１１時過ぎだった。

今回、滞在中の天候は穏やかな日々が続くという予報で、出発地点の海岸では波の音が聞こえない。目的地までは６時間。

去年と同じ場所に予定通り６時間ほどで到着。昨年では、ベースを張る所々の岩の上には干からびた羆の糞が点在していたが、今回は見当たらなかった。

秘境の水界　　　　羆との恐怖　　　　純血