森にも明るい兆し２

イトウと約束通り？

毎年イトウの地へ来る度、新たな人との出会いがある。その某聖地支流の上流、足止めの落差に来ていた方がこんなことを言っていた。地元の方が言うには、今年の産卵は遅れると予想しているらしいよ・とか・・・

やはり、ここ聖地住民の方は私と同じ「灯台下暗し」なようだ。問題のイトウが産卵を行うポイントまで、予想よりも長い距離を歩かずに済み、毎年イトウを確認している某コルゲート管へ到着。濁流と化す流れを見つめてきた道中、知らぬ者が見ると、とてもじゃないが産卵など行われているはずもないと思う流れ。

イトウちゃ〜んとおふざけた調子で中橋さんが一言発し、問題のコルゲート管に辿り着き覗いてみると、例年数匹見れるはずのイトウの姿は無い。何？５０年に一度の大雪に負けたのか？次の瞬間、２ｍほど下流に目を向けると、流木が横たわる側で定位する雄イトウを見つける。

居た〜と私は歓喜した。その何を喜ぶ私の表情をシラケタ顔で見ていた中橋さんだが、とにかくイトウは約束通り源へ来ていた。間違いない、ここへやって来るイトウは雪解け増水の変動に対し意識はしていないと確信・・・

そして、これまで障害となっていたコルゲート管、その呑み口に隔てられていたジャカゴが撤去されている？高さ数十センチ幅１ｍちょっとの人工物だが、イトウが遡上するには障害であった。これも、そこで活動されている方達のおかげであろう。

イトウと私。画像右下に短くなびくのは私の左足？そう、この瞬間、初めてイトウと泳いだのです。自分の人生に高額な資金を投資した壊があった。想像していた通り、イトウとの距離が更に短くなった。この通り、この雄イトウは私の足よりも長い。

北海道の年の始まり、私の年の始まりは春のイトウからとなる。寂しいかな、エゾノリュウキンカ、水芭蕉が花咲いていない。唯一目に出来たのは柳の芽だけ。２００４年の冬はそれだけ厳しかったことになる。